このコラムでは、Zoho社が提供するビジネスアプリケーション「Zoho」について、その特徴やメリット・デメリット、Zohoを活用することでできることについて解説します。Zohoを導入している企業は世界で25万社以上も存在し、今後、国内においても導入する企業が増えていくことが期待されています。
Zohoを活用することで、企業で業務を行うにあたって求められるほとんどのことをZohoでまかなうことができるため、業務効率化や業務整理につなげることが可能になります。これからCRM/SFA/MAのような営業・マーケティング支援システムを導入して効率化を図っていきたいと思っている方へのお役立ち情報を提供します。ぜひ最後までご覧ください。
Zohoとは?Zohoの概要と基本機能
引用元:Zoho 公式サイト
Zohoは、クラウドベースのソフトウェアを提供する企業で、営業、マーケティング、財務、プロジェクト管理、カスタマーサポートなどの多岐にわたる業務を支援するツールを展開しています。その柔軟性やコストパフォーマンスの高さ、そして直感的な操作性により、世界中で幅広い規模の企業に導入されています。
Zohoの特徴的なポイントは、すべてのツールが統一されたプラットフォームで利用できる点です。これにより、業務間の連携が容易になり、データの一貫性が確保されます。また、モバイルアプリも充実しており、どこからでも業務を進めることが可能です。
Zohoはさまざまなサービスを提供していますが、今回はその中から抜粋して3つのサービスを紹介します。
営業活動を効率化する「Zoho CRM 」
引用元:ZohoCRM
Zoho のサービスにおいて最も有名なのが、Zoho CRM です。Zoho CRM は、顧客情報を一元管理し、営業プロセスを可視化するためのサービスです。多くの企業が抱える課題の一つに、顧客情報を記録、収集しているのに、それを営業活動に活用できないことが挙げられます。Zoho CRM を活用すれば、集めた顧客情報を一元管理し、その情報をもとに、顧客フォローやマーケティング施策を行うことが可能になります。顧客情報の分析や、グラフでの可視化など、通常業務で行うにはハードルが高いことも、Zoho CRM を活用すれば効率的に作成可能で、業務効率化と生産性の向上を実現できます。他にも、リード管理、パイプラインの追跡、フォローアップの自動化が可能で、営業チームの効率を大幅に向上させます。
Zoho CRM については以下の記事でも紹介しているので、ぜひこちらもご覧ください!
Zoho CRMのログイン/サインイン方法!開けない時の解決法
Zoho CRMとZoho CRM Plusの違いは?機能・料金・プランについて徹底解説
財務管理を簡略化する「Zoho Books」
引用元:Zoho Books
Zoho Books は、財務を管理し、ビジネスワークフローを自動化することで、チームで共同作業を行うのに役立つオンライン会計ソフトウェアです。
会計・請求・経理・見積りソフトがセットになっており、他のZohoサービスと連携することで在庫管理もできます。チームで経理業務を管理したい場合にオススメのサービスです。具体的には、テンプレートを活用した請求書の簡単作成や、銀行口座との連携による銀行との取引履歴の自動取得、在庫管理、顧客情報と連携することで請求書発行の際の連絡先確認などがスムーズに行えます。
問い合わせ対応の工数を削減する「Zoho SalesIQ」
引用元:Zoho SalesIQ
Zoho SalesIQ は、Webサイトにコードを加えるだけで作成可能なチャットボットです。ユーザーがWebサイトに訪問し、質問を行った場合、チャットを使ってリアルタイムで回答することができるのに加えて、あなたが不在の時にはあらかじめ設定しておいた内容に応じて自動で回答を送信することができます。
Zohoで改善・解決できる課題とは?
ここでは、Zoho を活用することで解決できる課題を紹介します。
MAの実現
Zoho を活用することで、MA(マーケティングオートメーション)を実現することができます。顧客管理やチャットボット、フォームの送信など、さまざまな業務を自動化・効率化することができます。
財務・労務のデジタル化
Zoho を活用することで、財務管理や労務管理・在庫管理などを手作業からデジタルへと移行することができ、効率化・最適化するだけでなく、ミスを削減することができます。
営業・サポートのDX化
Zoho を活用することで、SFAや社内のアンケート・レポート管理、商談の管理・簡易チャット・コミュニケーションなどをDX化することで、効率化を図ることができます。
Zoho で解決できる具体例
ここでは、Zoho のサービスを使うことで具体的にどのようなことが解決できるのか、Zoho が提供するサービスと合わせて紹介します。
営業管理が複雑で非効率:Zoho CRM で解決
営業管理やタスクが煩雑になると、見込み顧客の追跡ミスやフォローアップの漏れが発生することが多くあります。ZOHO CRM を導入すれば、営業活動全体を一元管理でき、リードの進捗状況やチームのパフォーマンスをリアルタイムで把握できます。また、カスタマイズ可能なワークフローを活用することで、営業プロセスの自動化が可能です。
手作業による財務管理のミスを削減:Zoho Books で解決
手作業での財務管理はミスが発生しやすく、時間もかかります。ZOHO Booksを利用することで、経費の自動分類や税計算が可能になり、正確な財務データを効率的に管理できます。また、クラウド上での操作が可能なため、リモートワークにも対応できます。
訪問ユーザーの離脱防止と効率化:Zoho SalesIQの活用事例
ウェブサイトを訪問するユーザーの中には、気になることを質問しても回答が遅く、離脱してしまうということも少なくありません。Zoho SalesIQで設定したチャットボットを活用することで、不在の場合にも迅速にレスポンスを行うことでユーザーの離脱を防ぐことができます。また、ユーザーがサイト上で取った行動を追跡・分析し、あらかじめ設定した内容に応じて、ある行動を取ったユーザーに対して、こちらで設定した情報を通知することも可能です。
Zohoを導入するメリットとデメリット
Zohoのサービスは他のシステムと比較するとどうなのか、気になると思います。ここでは、Zohoを導入するメリット・デメリットについて解説します。
Zoho導入のメリット
Zoho を導入することで得られる主なメリットは以下の通りです。
導入コストが低い
Zohoは他のクラウドツールと比較して非常にコストパフォーマンスが高く、特に中小企業に適しています。例えば、Zohoの中で最も有名であるZoho CRM の場合、1アカウントにつき1,680円/月〜で利用が可能です。Zoho以外のサービスと比較すると1/3ほどの価格設定であり、コストパフォーマンスに優れていることがわかります。ただし、アプリの種類や契約数などによっても料金は変わるため、導入数が多い場合は結果的に類似サービスと似たようなコストがかかる可能性があることも理解しておきましょう。
無料トライアルが充実している
Zoho は無料体験が充実しています。Zoho のサービスってどんなものだろうと考えている方にとって、無料体験期間があるのは非常にありがたいと思います。自社のニーズをこのサービスで解決するのかを見極めるために、無料トライアルが設けられているのは助かると思います。例として、Zoho CRM には15日間の無料トライアルがあり、トライアル期間中も様々な機能を試すことが可能です。Zoho CRM Plusには30日間の無料トライアルがあります。
操作性が直感的
Zoho のサービスツールは基本的に直感的に操作できるよう分かりやすい設計となっており、ITリテラシーが高くないユーザーでも簡単に操作することができます。ビジネスツールは複雑なものが多く、他社のツールの中には玄人向けで難しいものも存在しますが、Zohoの場合は簡単に理解でき、準備が整えばすぐに使い始めることが可能です。
業務間の連携を強化する一体型ツール
Zoho の各ツールはもちろん単独で使用可能ですが、それぞれを連携させることでさらに大きな効果を発揮します。たとえば、Zoho CRM で収集した顧客データをZoho Campaigns でのメールマーケティングに活用するなど、シームレスな業務連携が可能です。また、Zoho のツール同士での連携に限らず、Zoho CRM とGoogleカレンダーを連携するといったことも可能です。Zoho CRM 内で保存した担当者の行動記録などをGoogleカレンダーで確認することができ、出先での管理が可能になります。
ZOHO導入のデメリット
Zoho のメリットについて紹介しましたが、以下のようなデメリットも存在します。
初期設定に時間がかかる場合がある
ZOHOは非常に多機能でさまざまなことができるため、その分、初期設定やカスタマイズには時間とリソースが必要となります。どのような機能を使いたいか、どのシステムを導入するかなどを事前に明確にして導入を行う必要があるため、導入するまでに時間を要します。導入時には、専門的なサポートを受けることをおすすめします。
国内の認知度が今のところ低い
Zohoは世界では25万社以上の企業に導入されているサービスですが、日本国内においては今のところまだ認知度が低いのが現状です。そのため、日本語への翻訳機能が曖昧になっている部分もあり、少し分かりにくくなっていることがあります。
ただし、Zoho は日本国内でも少しずつ認知が拡大してきており、近いうちに高い精度での翻訳機能が装備される可能性もあると考えています。これから日本でシェアを伸ばしてくると考えられるため、当然日本人ユーザー向けのアップデートは実装されることでしょう。
また、Zoho にはZoho コミュニティというものがあり、ユーザーが利用できる交流の場として設けられています。ここで不明点や質問をすることで、詳しい人が回答をしてくれるため、初心者でも安心して利用することができます。
Zohoはどんな企業に向いている?
Zohoのメリット・デメリットについて解説しましたが、Zoho のサービスはどのような企業に向いているのでしょうか?基本的にはどのような企業にもおすすめのサービスですが、特に導入をおすすめしたい企業の特徴について解説します!
コストを抑えてサービスを導入したい企業
Zoho が提供しているようなサービスは、他社では基本的にはコストがかかることが多いです。さまざまな機能が搭載されており、それらによって多くの課題を解決できますが、コストを抑えて課題を解決したいと考えている企業には、Zoho は非常におすすめです。Zoho は1アカウントから導入・利用することも可能であるため、かかるコストに対してアカウント数が余って勿体無いということもありませんし、導入コストも他社と比較してかなり抑えられます。
サービスを導入してすぐに、やっぱり自社のニーズには合わないということが分かることもありますが、Zoho の場合はそのリスクも最小限に抑えることができます。
業務のデジタル化を促進したい企業
これまで多くの業務を手作業や紙での管理で行っていたけど、今後はデジタル化していきたいと考えている企業も少なくないでしょう。そのような企業には、Zoho のサービスを導入することをおすすめします。Zoho は多くのツールを展開しており、さまざまな分野の業務を広くカバーできるため、Zoho のサービスだけでデジタル化が一気に促進されます。自社に必要な機能を明確にした上で、ニーズに合致するサービスを導入してみてはいかがでしょうか。
複数のサービスを一元化したい企業
多くの業務を一元化して管理したいと考えている企業にも、Zoho はおすすめです。ここでは紹介していませんが、Zoho One というサービスを導入することで、Zoho が提供しているすべてのサービス・パッケージを利用できるため、これだけでほとんどすべての業務を一元化・効率化することが可能です。
また、Zoho One でなくてもいくつかのサービスを導入することで、サービス同士での連携により、同じく業務効率化と一元管理を実現することができます。
Zohoに関するよくある質問
Zoho に関するよくある質問とその回答を紹介します。
Zohoは初心者でも使いやすいのか?
Zohoは直感的なインターフェースを採用しており、初心者でも簡単に使用を開始できます。また、オンラインヘルプやサポートが充実しています。
Zohoのセキュリティ対策は万全か?
Zohoは高度な暗号化技術やデータバックアップ機能を備えており、セキュリティ対策が徹底されているため、安心して利用することができます。
他ツールとの連携はどの程度可能か?
Zoho は、Zoho が提供しているサービス以外にも、GoogleカレンダーやGoogle Workspace、Slackなど、多くの外部ツールと連携可能で、既存の業務環境にスムーズに統合できます。
まとめ
Zohoは多機能で柔軟なクラウドツールとして、あらゆる規模の企業にとって価値あるソリューションを提供しています。本記事では、Zohoの基本情報から主要ツールの活用方法、解決できる課題、メリット・デメリットまでを解説しました。
Zoho の製品を適切に活用することで、業務効率化、コスト削減、顧客満足度の向上を実現できます。導入を検討する際には、自社の課題を明確にし、適切なツールと支援企業を選ぶことで、より効果的な結果を得られるでしょう。
本記事があなたの課題が解決される一助になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。