リスティング広告のレポート作成方法を解説!便利ツールもご紹介

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リスティング広告は、企業が効率的にターゲットユーザーへアプローチするための非常に強力な手法です。しかし、広告運用の成果を適切に評価し、改善に繋げるにはレポートの作成が欠かせません。特に、広告運用の担当者やマーケティングチームにとって、データを整理し成果を「見える化」することは、今後の運用戦略において重要な役割を果たします。

この記事では、リスティング広告のレポートを作成する目的や含めるべき内容、さらに具体的な手順を解説します。また、作業効率を高めるための便利ツールも紹介しますので、初心者の方から経験豊富な運用担当者まで、すぐに役立つ内容となっています。この記事を読めば、リスティング広告の成果を最大限引き出し、レポートを効率的に作成する方法がわかります。ぜひ最後までご覧ください。

目次

 リスティング広告のレポートを作る目的

スティング広告の運用において、レポート作成は重要な業務のひとつです。適切に作成されたレポートは、広告運用の現状を把握し、成果を明確化するだけでなく、今後の改善施策を計画する際の重要な資料となります。広告代理店であればクライアントへの報告、自社運用であれば経営陣や関係部門への共有など、レポートが持つ役割は幅広いです。ここでは、リスティング広告のレポートを作成する目的を具体的に解説します。

 運用状況を把握するため

リスティング広告のレポート作成で最も重要な目的のひとつは、広告運用の現状を把握することです。リスティング広告では、配信している広告がどの程度のクリック数を獲得し、コンバージョンに繋がっているのかを確認することが成功のカギとなります。広告運用の数値を詳細に記録し整理することで、現状が目標にどの程度近づいているかを正確に把握できます。

例えば、月間予算が50万円の広告キャンペーンを実施している場合、レポートには以下のようなデータを含める必要があります。

  • 総クリック数:広告が何回クリックされたか
  • 総コンバージョン数:目標となる行動(購入や問い合わせなど)が何回発生したか
  • クリック率(CTR):表示された回数に対して何%クリックされたか
  • コンバージョン率(CVR):クリックされたうち、どの程度がコンバージョンに繋がったか

これらのデータをレポートにまとめることで、広告のパフォーマンスが明確になります。たとえば、「特定のキーワードに対してクリック率が低下している」という状況が判明した場合、広告文を変更したり、ターゲット設定を見直すなどの対策を講じることが可能です。

また、運用状況を把握することは、課題を特定し改善策を検討するためにも必要です。例えば、クリック単価(CPC)が急上昇している場合、その原因が競合他社の入札価格の高騰である可能性があります。これに対処するためには、クリック単価の上限を調整したり、関連性の高いキーワードへリソースを再配分するといった施策が有効です。

さらに、運用状況を把握することで、効率的なリソース配分も可能になります。たとえば、複数のキャンペーンを同時に運用している場合、成果の出ているキャンペーンに予算を集中させ、パフォーマンスの低いキャンペーンは一時的に停止するという選択肢を検討できます。このような調整を行うためにも、レポートは必要不可欠なツールと言えます。

運用状況の把握には、データを視覚的にわかりやすく提示することも大切です。表やグラフを用いることで、データの傾向や変化が一目でわかりやすくなり、運用の改善につなげるスピードが向上します。

 運用結果を経営陣に報告のため

リスティング広告のレポートは、運用結果を経営陣やクライアントに分かりやすく報告するために欠かせないツールです。広告運用は、数字で成果を示せる点が大きな特徴ですが、これを効果的に伝えるにはデータを整理し、見やすくまとめたレポートが必要です。特に経営陣やクライアントは、広告の細部よりも成果そのものや、今後の施策がどのように組織やビジネスに貢献するのかに関心があります。そのため、レポート作成時には、必要なポイントを的確に押さえることが重要です。

例えば、広告運用の成果を一言で伝える結論を最初に記載することで、報告の内容が明確になります。月次レポートでは、「クリック単価を10%削減しながらコンバージョン数を20%増加させた」といった要約を冒頭に記載します。この結論をベースに、詳細なデータや考察を補足することで、報告内容の一貫性と説得力が向上します。

また、レポートでは、目標と実績のギャップを明確に示すことが重要です。例えば、目標のコンバージョン数が100件だった場合、実績が90件であれば、その要因を具体的に分析します。原因が「クリック単価が想定より高騰した」ことであれば、そのデータをグラフや表で示し、視覚的に理解しやすくすることが大切です。このように、課題が明確になると、経営陣やクライアントも次の施策に対して理解を深めることができます。

 運用ノウハウを自社に貯めるため

リスティング広告のレポートは、単に運用状況や結果を把握するだけでなく、運用ノウハウを組織に蓄積するための重要な資料となります。広告運用は、短期的な成果を追求するだけでなく、継続的な最適化や改善を進めることが成功の鍵です。そのため、日々の運用結果を詳細に記録し、分析したデータを組織の「資産」として活用することが必要です。

たとえば、特定の広告キャンペーンで高い成果を出した場合、その成功要因を記録しておくことで、今後の施策に応用できます。「このキーワードではクリック率が高かった」「このクリエイティブがターゲットユーザーに刺さった」といった具体的な情報は、次回のキャンペーンでの施策立案に役立ちます。反対に、うまくいかなかった施策についても、その原因を記録しておくことで、同じミスを繰り返さないための教訓として活用できます。

また、広告運用に関するデータを蓄積することで、運用チーム全体のスキル向上にもつながります。新しいメンバーがチームに加わった際、過去のレポートを閲覧することで、過去の運用状況や施策の背景を理解しやすくなります。これにより、短期間でスムーズに業務に適応できるようになります。たとえば、新人の広告運用担当者が過去のレポートを見て、「この広告グループでは、ターゲット層の反応が良いキーワードが選定されている」と判断し、同じ方向性で施策を進めるといった効果が期待できます。

リスティング広告のレポートに含めるべき内容

リスティング広告のレポートを作成する際、どのような内容を含めるべきかを理解しておくことは非常に重要です。レポートの目的や受け手によって詳細度やフォーマットが異なる場合がありますが、基本的に「結論」「根拠となるデータ」「考察」「改善施策」の4つの要素を含めることが推奨されます。これらを含むことで、運用状況を分かりやすく伝え、次のアクションにつなげるための価値ある資料を作成できます。

 結論

レポートの冒頭に結論を記載することは、特に経営陣やクライアントに向けた報告で効果的です。結論を最初に示すことで、レポート全体の内容が明確になり、時間を節約できます。たとえば、「コンバージョン数が目標の120%を達成」「クリック単価が前月比15%削減」といった具体的な成果を簡潔に記載することで、受け手は運用の成果を瞬時に理解できます。

結論は、データに基づいた客観的な成果を示すことが重要です。また、結論部分では、できるだけポジティブな成果を強調することが推奨されます。仮に目標を達成していない場合でも、「CTR(クリック率)は低下したが、LP(ランディングページ)でのコンバージョン率向上により収益は増加」など、具体的な進展や成果を記載します。

 根拠となるデータの提示

結論を裏付けるためには、具体的なデータの提示が不可欠です。リスティング広告では、次のような指標が一般的に活用されます。

  • クリック数: 広告がクリックされた回数
  • 表示回数: 広告がユーザーに表示された回数
  • クリック率(CTR): 表示回数に対するクリックの割合
  • コンバージョン数: ユーザーが最終的に目標行動を取った回数
  • コンバージョン単価: 1コンバージョンにかかった広告費用

これらのデータを表やグラフで視覚的に示すことで、レポートの分かりやすさが向上します。たとえば、月ごとのクリック率の推移を棒グラフで示すと、成果の傾向が一目で分かるようになります。また、データは運用ツールから直接取得することで正確性を担保し、信頼性の高いレポートを作成できます。

 考察

データを提示するだけではなく、それを基にした考察も重要です。考察では、提示したデータがどのような意味を持つのか、そして運用結果がどのような要因によるものかを具体的に説明します。たとえば、「クリック率が低下した原因は、競合他社の広告が増加したことによる広告掲載順位の低下と考えられる」といった分析を記載します。

考察では、運用チームが行った施策がどのように結果に影響したのかを明確にすることも重要です。「新たに追加した広告文が特定のターゲット層に効果的だったため、CTRが改善した」といった具体例を盛り込むと、レポートの説得力が増します。

 改善及び良化に向けた施策

最後に、今後の改善施策や次のアクションプランを記載します。このセクションでは、問題点をどのように解決するか、さらなる成果を出すために何をすべきかを具体的に提案します。たとえば、「コンバージョン単価の高騰を抑えるために、ターゲットキーワードを見直し、より競合の少ないキーワードを選定する」といった施策を提示します。

改善施策には、過去の成功例やツールの活用を含めることも効果的です。たとえば、「Shirofuneを導入して自動入札を最適化する」といった具体的な提案を盛り込むことで、次のアクションが実行しやすくなります。

リスティング広告の運用レポートの作成手順

リスティング広告の運用レポートを作成する際には、目的に応じた明確な手順を踏むことが重要です。適切な手順に従うことで、誰が見てもわかりやすく、運用状況の全体像を的確に伝えられるレポートを作成することができます。以下では、運用レポート作成の基本的な手順を詳しく解説します。

 誰向けのレポートなのか

レポートを作成する際に最初に確認すべきことは、「誰がこのレポートを読むのか」という点です。クライアント、経営陣、広告運用チームなど、レポートの読み手によって求められる情報の詳細度や内容が大きく異なります。たとえば、広告運用チーム向けのレポートでは、クリック率やコンバージョン率といった具体的な指標を細かく記載する必要があります。一方、経営陣向けには、広告の成果を簡潔に要約した情報が求められます。

読み手を明確にすることで、どの指標を重視し、どのような形式でデータを提示するべきかが分かります。また、クライアント向けの場合は、専門用語を避け、分かりやすい表現を使うことが求められることが多いです。一方で、内部の広告運用チーム向けであれば、より詳細で技術的な内容を含めても問題ありません。

 レポートの目的を明確化する

レポートの目的を明確にすることは、作成の効率化に直結します。目的が曖昧なままでは、どのデータを集めるべきか、どのように分析すべきかが分からず、レポートの質が低下する可能性があります。たとえば、レポートの目的が「広告費用対効果(ROAS)の改善」である場合、クリック単価やコンバージョン単価、収益データに焦点を当てた構成が必要です。

具体的な例として、「今月の広告運用結果を確認し、来月のキャンペーン戦略に活かす」という目的がある場合、月次の主要指標(クリック数、コンバージョン数、費用対効果など)に重点を置いた内容にするべきです。一方で、目的が「クライアントへの成果報告」であれば、広告の影響で得られた具体的な成果(問い合わせ件数の増加、売上増加など)を中心にまとめるべきです。

 リスティング広告のデータを集める

レポート作成の基盤となるのは、正確で信頼性の高いデータです。リスティング広告の運用データは、Google広告やYahoo!広告、さらにはGoogleアナリティクスなどのツールから取得できます。この際、必要なデータをもれなく収集し、整備することが重要です。

具体的には、次のようなデータを集めます:

  • クリック数: 広告がクリックされた回数
  • 表示回数: 広告が表示された回数
  • クリック率(CTR): 表示回数に対するクリック数の割合
  • コンバージョン数: 目標行動(購入や問い合わせ)を達成した回数
  • 広告費用対効果(ROAS): 広告費に対して得られた収益の割合

これらのデータを各ツールからダウンロードし、ExcelやGoogleスプレッドシートなどを活用して整理します。必要に応じて、過去データと比較できるような形式で保存しておくと、データの傾向を把握しやすくなります。

 考察する

データの収集が完了したら、それをもとにした考察を行います。単にデータを羅列するだけではなく、「なぜその結果が出たのか」「どの要因が影響したのか」を分析することが求められます。たとえば、「クリック率が先月より10%低下している」という結果があった場合、その要因として「競合広告の増加」「広告文の効果低下」などが考えられます。

考察では、改善の方向性を具体的に示すことも重要です。たとえば、「競合広告が増加しているため、ターゲティングを絞り込む」「広告文を変更し、訴求力を高める」といった具体的な施策を記載することで、次のステップを明確にできます。

 レポートを作成する

最後に、収集したデータと考察をもとに、実際のレポートを作成します。この際、受け手が直感的に内容を理解できるよう、グラフや図を多用しながら視覚的な工夫を施します。たとえば、月間のコンバージョン数の推移を折れ線グラフで示すことで、成果の変動が一目で分かります。また、テキスト部分では簡潔かつ正確な表現を心がけ、要点を絞った記載を意識します。

適切なフォーマットを選ぶことも重要です。多くの場合、PDF形式でレポートを作成することで、デザイン性と共有のしやすさを両立できます。また、Googleデータポータル(現: Looker Studio)を利用することで、オンラインでリアルタイムに更新されるレポートを共有することも可能です。

 わかりやすいレポートを作成するポイント

リスティング広告のレポートは、運用状況や成果を正確に伝えるための重要な資料です。しかし、どれほど詳細なデータを含んでいても、読み手にとって分かりやすくなければその価値は半減します。ここでは、わかりやすいレポートを作成するための具体的なポイントについて詳しく解説します。

 適度に図・表・グラフを用いる

視覚的な要素を活用することで、レポートの内容をより効果的に伝えることができます。数字やテキストだけでは、データの傾向や比較を直感的に理解するのが難しい場合があります。たとえば、以下のような視覚要素を活用するのが有効です:

  • 棒グラフ: キーワードごとのクリック数やコンバージョン数を比較する場合に適している。
  • 折れ線グラフ: 月ごとのクリック率や広告費用対効果の推移を示す際に有効。
  • 円グラフ: デバイス別や地域別の広告配信割合を視覚化するのに役立つ。

これらを適切に活用することで、数字だけでは把握しづらいデータの特徴や傾向を一目で伝えることが可能になります。ただし、視覚要素を多用しすぎると逆に煩雑になるため、必要最低限に留めることも重要です。

 結論ファースト

わかりやすいレポートの基本は「結論ファースト」の構成にすることです。特に経営陣やクライアントに向けたレポートでは、詳細なデータよりも、最終的な成果や改善ポイントが最初に知りたい情報となります。そのため、レポートの冒頭に以下のような内容を記載します:

  • 主要な成果: 「コンバージョン数が目標の150%を達成しました」
  • 課題: 「クリック率が目標を下回った要因として、広告文の訴求力が不足している可能性があります」
  • 改善施策: 「次月はクリエイティブを刷新し、ターゲット層に合わせたメッセージを訴求します」

結論部分を簡潔かつ具体的にまとめることで、読み手がレポート全体の内容を把握しやすくなり、後続の詳細データもスムーズに理解できるようになります。

 過去との比較をする

運用の成果を評価する際には、単独のデータではなく、過去との比較を行うことが重要です。たとえば、「今月のクリック率は4.5%」というデータだけでは評価が難しいですが、「先月のクリック率は3.8%だったため、0.7ポイント向上した」と記載すると、成果が具体的に伝わります。

過去との比較では、以下のような視点が役立ちます:

  • 前年同月比: 季節要因や市場トレンドの影響を考慮する際に重要。
  • 前月比: 直近の施策の成果を測るために有効。
  • 過去平均: 長期的な運用成果を評価する際に参考となる。

これらの比較データを表やグラフで示すことで、運用状況の変化を明確に伝えることができます。

 レポート作成の切り口

リスティング広告のレポートは、どの視点からデータを整理し提示するかによって、読み手の理解度や施策の効果に大きな影響を与えます。適切な切り口を選ぶことで、運用結果をより具体的かつ分かりやすく伝えることができます。以下では、代表的な切り口とその活用方法について詳しく解説します。

 キャンペーン別レポート

キャンペーン別にレポートを作成する方法は、広告運用の大枠を把握する際に非常に有効です。たとえば、複数のキャンペーンを同時に運用している場合、それぞれの成果を比較することで、どのキャンペーンが最も効果的であったかを一目で理解できます。

具体的には、以下のような指標をキャンペーンごとに整理します:

  • クリック数: キャンペーンごとのクリック数の違いを比較する。
  • コンバージョン数: 最終的な成果を測るための重要な指標。
  • 広告費用対効果(ROAS): 投資対効果を示すために不可欠なデータ。

キャンペーン別の成果を明確にすることで、次の運用方針を立てやすくなります。たとえば、Aキャンペーンでは低コストで多くのクリックを獲得できたが、Bキャンペーンでは高いコンバージョン率が得られた、といった比較が可能です。

 広告グループ別レポート

広告グループ別のレポートは、より詳細な運用分析を行いたい場合に適しています。広告グループは特定のキーワードやターゲットユーザーに基づいて設定されているため、どの広告グループが目標達成に寄与しているかを明確に把握することができます。

たとえば、地域ごとに広告グループを分けている場合、「関東エリアの広告グループは高いコンバージョン率を達成しているが、関西エリアではクリック率が低い」といったデータを抽出し、それに基づく改善施策を講じることができます。

 キーワード別レポート

キーワード別のレポートは、リスティング広告の基本中の基本とも言える分析方法です。特定のキーワードが成果にどのような影響を与えているかを理解することで、広告の改善ポイントを見極めることができます。

たとえば、次のようなデータをキーワード別に整理します:

  • クリック率(CTR): キーワードの魅力度を評価する。
  • コンバージョン率: 成果につながるキーワードを特定する。
  • クリック単価(CPC): コスト効率の良いキーワードを探る。

キーワード別のデータをもとに、効果の低いキーワードを除外設定することで、広告費の無駄を削減できます。また、効果的なキーワードに予算を集中させることで、全体の費用対効果を向上させることが可能です。

 クリエイティブ別レポート

クリエイティブ別のレポートは、広告文やバナーのデザインが成果にどのような影響を与えているかを分析するために重要です。たとえば、同じターゲット層に対して複数の広告文を配信し、それぞれのクリック率やコンバージョン率を比較することで、効果的な訴求ポイントを特定できます。

クリエイティブの分析では、次のようなデータが活用されます:

  • クリック率(CTR): 広告文やデザインの訴求力を測定。
  • コンバージョン率: 実際に成果に結びついた広告クリエイティブを特定。

たとえば、「セール」を強調した広告文がクリック率を高めたが、実際の購入にはつながらなかった場合、「品質保証」を訴求する広告文に切り替えることで成果が向上する可能性があります。

 日別レポート

日別のデータを分析することで、成果が出やすい曜日や時間帯を特定することが可能です。たとえば、「月曜日から水曜日にかけてはクリック率が高いが、木曜日以降はコンバージョン率が低下する」といった傾向を把握できます。このようなデータに基づき、予算配分や広告配信時間を最適化することが可能です。

 デバイス別レポート

スマートフォン、タブレット、PCなどのデバイスごとに成果を比較することも重要です。特にスマートフォンでのクリック率が高い場合は、モバイルユーザー向けに最適化された広告文やランディングページを作成することが効果的です。

 地域別レポート

地域ごとのデータを分析することで、地理的な特性を考慮した広告戦略を立案することが可能です。たとえば、「都市部ではクリック率が高いが、地方ではコンバージョン率が低い」といった場合、地方向けの訴求ポイントを変更することで成果を改善できます。

 リスティング広告のレポートを作成する際に役立つ指標

リスティング広告のレポートを作成する際には、適切な指標を選定して運用状況や成果を分析することが重要です。以下に、広告運用で特に注目すべき指標を挙げ、それぞれが持つ意味や活用方法について詳しく解説します。

 表示回数

表示回数は、広告がユーザーの目にどれだけ触れたかを示す基本的な指標です。このデータを確認することで、広告の露出度やターゲット設定が適切かどうかを判断する材料になります。たとえば、特定のキーワードでの表示回数が非常に多い場合、そのキーワードはターゲットユーザーにとって高い関心を持たれている可能性があります。

表示回数が多くてもクリック数が少ない場合は、広告文やバナーのデザインに問題があるか、あるいはターゲット設定が広すぎる可能性があります。このような場合は、クリエイティブを改善するか、ターゲティングを見直すことで、クリック率を向上させることができます。

 クリック単価(CPC)

クリック単価(CPC: Cost Per Click)は、広告が1回クリックされるごとに発生する費用を示す指標です。このデータは、広告運用のコスト効率を測るために不可欠な情報です。たとえば、1クリックあたりの単価が高すぎる場合、入札単価を調整したり、費用対効果の高いキーワードに絞り込むことが検討されます。

逆に、クリック単価が低い場合でも、コンバージョン率が低いと最終的な成果につながらないため、広告文やランディングページの改善が必要となる場合があります。

 クリック率(CTR)

クリック率(CTR: Click Through Rate)は、広告の表示回数に対するクリック数の割合を示します。この指標は、広告の訴求力やターゲット設定の精度を測るために非常に重要です。たとえば、クリック率が低い場合、以下のような原因が考えられます:

  • 広告文やバナーのデザインがユーザーの興味を引いていない。
  • キーワードがターゲットユーザーの検索意図に合っていない。
  • 広告が適切でない場所やタイミングで表示されている。

クリック率を向上させるためには、広告文の訴求力を高めたり、キーワード選定を見直すことが効果的です。

 コンバージョン単価(CPA)

コンバージョン単価(CPA: Cost Per Acquisition)は、1件のコンバージョン(目標行動達成)にかかった費用を示します。この指標は、広告運用の成果を直接的に測るための重要なデータです。たとえば、広告費用に対してコンバージョン単価が高い場合、費用対効果が悪いことを意味します。

具体的には、次のような改善施策を検討します:

  • コンバージョン率を上げるために、ランディングページを最適化する。
  • 入札単価を調整して、広告費用を抑える。

 コンバージョン率(CVR)

コンバージョン率(CVR: Conversion Rate)は、広告が成果に結びついた割合を示します。たとえば、クリック数が多くてもコンバージョン率が低い場合、ランディングページの内容やターゲティングに問題がある可能性があります。

コンバージョン率を向上させるためには、次のような施策が有効です:

  • 広告文とランディングページのメッセージを一致させる。
  • コンバージョンに至るまでの導線をスムーズにする。

 Googleデータポータル(現: Looker Studio)でレポート作成を効率化

リスティング広告の運用では、多くのデータを扱う必要がありますが、そのデータをわかりやすく整理して視覚的に提示するのは容易ではありません。Googleデータポータル(現: Looker Studio)は、Google広告や他の広告プラットフォームと連携することで、簡単に魅力的で実用的なレポートを作成できるツールです。以下では、その特徴や利用方法について詳しく解説します。

 Googleデータポータル(現 Looker Studio)とは?

Googleデータポータルは、Googleが提供する無料のデータ可視化ツールで、広告データやウェブサイトのトラフィックデータを一元的に管理し、視覚化することができます。このツールの大きな特徴は、以下の点です:

  • 視覚化が簡単: グラフやチャートをドラッグ&ドロップで作成可能。
  • 連携が多彩: Google広告、Googleアナリティクス、YouTubeなど、多数のGoogleサービスとスムーズに連携。
  • リアルタイム更新: 広告運用中の最新データをリアルタイムで確認できる。
  • 共有が容易: 作成したレポートはURLリンクを共有するだけで関係者と共有可能。

たとえば、運用広告のクリック率やコンバージョン率をリアルタイムで確認したい場合に、このツールを利用することで、わかりやすいレポートが簡単に作成できます。

 GoogleデータポータルとGoogleのリスティング広告を接続する方法

GoogleデータポータルでGoogle広告のデータを利用するには、以下の手順を実行します:

  1. Googleアカウントにログイン: Google広告とGoogleデータポータルが同じアカウントで連携していることを確認。
  2. 新規データソースを追加: データポータルの「データソースを追加」ボタンをクリック。
  3. Google広告を選択: 利用可能なデータソースの一覧からGoogle広告を選択し、連携を開始。
  4. データを選択: 広告アカウントの中から必要なキャンペーンや広告グループを選択。
  5. 視覚化を設定: 必要な指標を選び、グラフや表として表示。

この連携を設定することで、Google広告の詳細なデータを手間なく取り込み、わかりやすい形で分析できます。

 GoogleデータポータルとYahoo!のリスティング広告を接続する方法

Googleデータポータルは基本的にGoogleサービスとの連携を目的としていますが、Yahoo!広告のデータを活用することも可能です。以下の方法を参考にしてください:

  1. データをエクスポート: Yahoo!広告から必要なデータをCSV形式でダウンロード。
  2. Googleスプレッドシートにアップロード: ダウンロードしたCSVデータをGoogleスプレッドシートに取り込みます。
  3. スプレッドシートをデータソースとして指定: Googleデータポータルで「データソースを追加」し、スプレッドシートを選択。
  4. フォーマットを調整: Yahoo!広告のデータ形式に合わせて指標を整理。

手動での更新が必要ですが、これによりYahoo!広告のデータもGoogleデータポータルで視覚化できます。

 無料で使えるリスティング広告(Google広告)のレポートテンプレート

Googleデータポータルでは、すぐに利用できる無料のテンプレートが用意されています。これらを活用することで、手間をかけずに効果的なレポートを作成できます。

  • 標準テンプレート: Google広告用のテンプレートが多数用意されており、クリック率やコンバージョン率などの基本指標が視覚化されたデザイン。
  • カスタムテンプレート: テンプレートをベースに、自社の運用状況に合わせてカスタマイズが可能。

テンプレートを利用することで、視覚的に美しいレポートを迅速に作成できるため、広告運用の効率化に大きく貢献します。

Googleデータポータル(Looker Studio)を活用することで、広告運用に関するデータの整理と分析が飛躍的に効率化します。次に進みますので、少々お待ちください。

 その他のレポート作成を効率化ツール

リスティング広告のレポート作成は多くのデータを扱うため、効率的に作業を進めるには専用ツールの活用が欠かせません。以下では、特にレポート作成を効率化するために役立つツールをいくつかご紹介します。

 ATOM(アトム)

ATOMは、広告運用に特化したレポート作成ツールで、広告データの収集、整理、視覚化を自動で行うことができます。特徴としては以下のような点があります:

  • 自動レポート機能: 定期的にレポートを自動生成し、チーム内で共有が可能。
  • 多プラットフォーム対応: Google広告やYahoo!広告だけでなく、FacebookやInstagramの広告データも統合。
  • カスタマイズ性: クライアントごとの要望に応じてレポート内容を柔軟に設定可能。

ATOMを利用することで、手動作業を大幅に削減し、分析や改善に集中できる環境が整います。

 Lisket(リスケット)

Lisketは広告運用の効率化に特化したツールで、レポート作成だけでなく、広告アカウントの管理や分析もサポートしています。その主な機能は次の通りです:

  • レポートの一括生成: Google広告やYahoo!広告のデータを一元管理し、レポートを一括で生成可能。
  • リアルタイム更新: 運用中の広告データをリアルタイムで反映。
  • 簡単操作: シンプルなUIで、初心者でも直感的に使いやすい設計。

特に運用チームで複数の広告アカウントを管理している場合に役立つツールです。

 glu(グルー)

gluは広告運用データを効率的に整理・視覚化するためのツールで、データの一元管理が可能です。以下の特徴があります:

  • 多プラットフォーム連携: Google広告、Yahoo!広告、SNS広告など、主要な広告プラットフォームと連携可能。
  • ドラッグ&ドロップ操作: グラフやチャートを簡単に作成でき、見やすいレポートを作成。
  • 通知機能: 設定したKPIに基づき、達成状況を自動で通知。

gluは、データの見える化と共有を効率化し、チーム全体で広告運用の状況を把握するのに役立ちます。

 Databeat

Databeatは、大量のデータを扱う企業向けに設計された広告レポート作成ツールです。その主なメリットは以下の通りです:

  • ビッグデータ対応: 膨大な広告データを効率的に処理可能。
  • 高度なカスタマイズ機能: グラフやチャートのデザインを自由に変更可能。
  • API連携: 他の分析ツールやデータベースと簡単に連携。

Databeatは、複雑な運用データを扱う上級者にとって強力なサポートツールとなります。

 アドレポ

アドレポは、広告運用者に特化したシンプルで使いやすいレポート作成ツールです。主な特徴は以下の通りです:

  • テンプレートの充実: 業界ごとの標準テンプレートを活用して素早くレポートを作成。
  • 複数アカウント対応: Google広告、Yahoo!広告、Facebook広告などを一元管理。
  • 分析支援機能: キーワードやクリエイティブごとの詳細分析を簡単に実施。

アドレポは初心者でも扱いやすいインターフェースで、広告運用の効率化を支援します。

 まとめ

リスティング広告におけるレポート作成は、運用の成果を可視化し、改善点を特定するために欠かせない重要なプロセスです。本記事では、レポート作成の目的や必要な要素、具体的な作成手順、さらに効率化を助けるツールについて解説しました。それぞれのポイントを以下にまとめます。

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